保険点数改訂-院長のひとりごとコラム

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保険点数改訂

 日本は国民皆保険制度で、ほとんどの医療が健康保険で行われています。

つまりすべての医療行為に点数がつけられ、医療機関はそれにしたがって医療費を請求するという仕組みになっています。

この保険点数が2年ごとに改訂されます。

今年がその改訂の年で、4月から新しい点数に変わります。

 

 この辺の事情はニュースにもなっていますので、ご存知の方も多いと思います。

今回の改訂の大きなポイントは疲弊している病院勤務医、特に小児科産科救急科外科に手厚い点数をということです。

これらの科で今まで労多く、益の少なかった医療行為の点数見直しが行われました。

さらに全体として大きく改訂されたのは再診料です。

患者さんが初めて医療機関を受診したときに、自動的に算定されるのが初診料で2回目以降は再診料が付加されます。

これが今まで病院は低く、医院で高かったものが同一点数に統一されました。ほんのわずかな点数ではありますが、来院される多くの患者さんに課せられますので積もり積もれば結構な額になります。

特に病院ではその影響は大きくなります。

さらに国レベルで考えると非常に大きな金額になります。

こういった改訂が行われても、それが直接勤務医の待遇に反映されるわけではありませんが国民医療の方向性という観点においては間違ってはいないと思われます。

今回の改訂で私が一番注目したのは、がん診療における病診連携に関する点数の新設です。病診連携とは文字通り病院と診療所との連携のことです。

保険点数改訂

がん特に乳がんの領域ですでに病診連携の重要性は叫ばれていました。

当院のある阪神南地区では近隣のがん拠点病院と他の乳腺専門クリニックが協力して、何度か会合をもち病診連携パスを作成しすでに病診連携の運用を開始していました。

今回このような医療行為に対して、保険点数を付与し国として推進していくこととなりました。乳がん領域では病診連携を進めることにより、病院の乳腺外来の混雑を緩和し医院できめの細かい診療を提供することにより患者さんの利便性を増していこうということです。

今回の保険点数改訂を機に日本の医療が少しでもよい方向に向くことを願ってやみません。

 

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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