西宮市｜さきたクリニック-院長のひとりごとコラム-産業医

私は西宮市の某酒造会社の産業医をしています。
西宮市は日本最大の酒どころである灘五郷の一つです。六甲の伏流水である宮水は酒造りに適した水でこの地域は昔から酒造りが盛んでした。ちなみに私は下戸です。

 

産業医とは企業などにおいて労働者の健康管理等を行う医師のことです。従業員５０人以上の会社は産業医を選任することが義務付けられています。会社は月に一回安全衛生会議を開催します。
そこでは安全と衛生の向上について話し合われ、様々な活動が実施されます。

 

安全の目標は無（労働）災害です。“5S活動”が基本となります。
５Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」を指します。
これにより業務効率の向上が図られ、安全性を確保し、快適な職場環境の実現を目指します。
衛生の目標は従業員の心身の健康です。身体の健康はもちろん、最近はメンタルヘルスの向上にも注力されています。これらの目標は社内だけでなく広く個人にも、社会にも応用が効きます。

 

こうした活動で社員が安全に健康に仕事に取り組むことができれば、社員は幸せとなるだけでなく会社にとっても大いにプラスとなります。さらにこれらの活動を会社外で実践することにより家族や社会も恩恵を受けることになります。

 

人生百年時代と言われています。今後、会社員は定年後の人生も長くなります。
会社時代に培った安全衛生志向は一生役に立つことでしょう。それを周りの人々にもおすそ分けすることで社会にも還元することができます。

 

そうした産業医としての意義に鑑み日々活動をしています。

 

著者　院長・医学博士　先田功