2019年(令和1年)12月に中国武漢で新型コロナが発生し、2020年(令和2年)にはWHOからパンデミックが宣言されました。
3年間の人類とウィルスの戦いは収束に向かいつつあります。この間の乳がん検診はどうであったのか振り返ってみました。
令和2年春に日本でもコロナ感染者が確認されました。
ダイヤモンドプリンセス号の大量感染が連日報道されました。
タレントの志村けんさんや岡江久美子さんのコロナ感染死には大きなショックを受けました。
今から考えると当時の感染者数、死亡者数はそれほど多くはありませんでした。
それでも未知のウィルスであり、医療体制も整っておらず、薬も予防の術もない当時は大きな不安に包まれていました。不要不急の外出は避けましょうと叫ばれました。
それに伴い乳がん検診受診者数は激減しました。
人々は感染予防を心掛け、3密を避けテレワークが進み、徐々に日常生活が戻ってきました。
乳がん検診だけでなく、がん検診全体の受診者減少が明らかとなりました。
このままでは将来大きな問題になることが認識され、がん検診は不要不急でないことが強調されました。おかげで年後半には乳がん検診の受診者も増加傾向となりました。それでも1年の受診者数の減少は否めませんでした。
令和3年は大きな落ち込みはないものの、コロナ以前よりは受診者数は低調でした。
検診受診者が減るのと並行して発見がん数も減少しました。それとは逆にクリニックでの乳がん発見は令和3年に上昇しました。
もしかしたら検診で発見できなかったがんが、自覚症状が出てから当院を受診して発見されたのかもしれません。
コロナ収束とともに乳がん検診の復活が強く願われます。
著者 院長・医学博士 先田功
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