コロナ第8波も減少傾向です。これでようやく3年にわたるコロナ禍の出口が見えてきました。
人類はこの新型コロナウィルスに大いに苦しめられました。その戦いも終わりに近づいてきました。
この戦いの中でヒトは大きな武器を手に入れました。それが新型ワクチンです。
従来のワクチンはウィルスを無毒化したり、分解したりして作られていました。これではなかなか有効なワクチンを早く作ることは困難でした。
今回のコロナワクチンは今までとは違う全く新たな発想のもとに作られました。
新型ワクチンで一番多いのは新型コロナウィルスのスパイクたんぱく質の設計図であるmRNA(メッセンジャーRNA)を体内に注射するものです。
そのほか遺伝子情報を無毒化された別のウィルス(ベクターウィルス)に入れて注入するタイプや新型コロナのたんぱく質によく似た人工のたんぱく質を注射するものなどが開発されました。
理論的には以前から考えられていましたが、実用化するには大規模な臨床試験が必要です。
世界がパンデミックに陥り、否をなく各国で臨床試験が実施されました。結果は効果が大きく副反応も許容範囲内と判断され異例の早さで臨床応用となりました。
さらに膨大な数の接種が行われ臨床データが蓄積されました。その結果、有効性と副反応の詳しい内容が判明しました。
今回のコロナ禍をこのまま乗り切っても将来さらに未知の新型ウィルス疾患が席巻することが予想されます。その時にはこの新型ワクチンは早期に開発、製造が可能です。
今はとにかくコロナ禍を早く収束することを祈るのみです。
著者 院長・医学博士 先田功
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