ようやく全国的に緊急事態宣言が明けました。
感染者数はまだまだ多いものの、重症者数、死亡者数は減少傾向です。ワクチンもいきわたり、薬も使えるようになりました。決して油断はできないものの、これからは徐々に日常生活を取り戻していきましょう。特に高齢者は家に閉じこもることなく、感染防御を心掛けつつ外出しましょう。
高齢者が家に閉じこもることによる様々な弊害が明らかとなっています。
動かないこと(生活不活発)により、身体や頭の動きが低下してしまいます。
歩くことや身の回りのことなど生活活動が行いにくくなったり、疲れやすくなったりすることをフレイル(虚弱)といいます。心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながり)が低下した状態を指します。
高齢者は多くの場合、健康な状態から要介護状態になるまでに、この中間的なフレイルの段階を経ていると考えられています。2週間の寝たきりにより失う筋肉量は7年間に失われる量に匹敵するともいわれています。それによってケガや骨折が増え要介護リスクの上昇が認められます。
また免疫機能が低下していろいろな病気にかかりやすくなり、重症化しやすくなっていきます。
さらに精神的ダメージもきたします。うつ傾向になったり、認知症が進行したりします。
とにかく、人込みを避けて積極的に外出をすることが大事です。自宅でも動かない時間を減らし、自宅でできるちょっとした運動で体を守りましょう。
またバランスの良い食事をしっかり摂って栄養をつけることも大事です。
高齢者では人との交流はとても大切です。家族や友人が互いに支えあい、意識して交流しましょう。
高齢者は今こそ、食事、身体活動、社会参加に積極的に取り組みましょう。
著者 院長・医学博士 先田功
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