HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)に対する保険診療が昨年から大幅に認められました。
HBOCとは日本人研究者が発見したBRCA遺伝子に生まれつき異常があるため、乳がんや卵巣がんを高いリスクで発症する遺伝性腫瘍です。
この遺伝子が同定されたのは1994年ですが、一躍有名となったのは2013年にハリウッドスターのアンジェリーナ・ジョリーさんが乳がん予防のために両乳房切除、再建手術を受けたことを公表してからでしょう。
まずHBOCの可能性の高い以下の患者さんに対してBRCA遺伝子検査が保険適応となりました。
さらにHBOCと診断された患者さんに対して、予防的乳房切除術や予防的卵管卵巣摘出術が保険適応となりました。またよりきめ細かなサーベイランス(定期的な観察)も保険適応となりました。
正しく対応をすればHBOCを必要以上に恐れる必要はなくなりました。
これによりさらに乳がん死亡撲滅に一歩進んだといえるでしょう。
著者 院長・医学博士 先田功
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