増える高齢者乳がん-院長のひとりごとコラム

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増える高齢者乳がん

 上皇后美智子様は84歳で乳がんと診断され、手術を受けられました。

日本人の乳がんは増加の一途にあり年間9万人以上が乳がんと診断されています。これは日本人女性が生涯乳がんになる割合が11人に1人という数字です。特に高齢者の乳がんが増えています。

従来、日本人の乳がんの特徴は40代後半から50代前半に患者数のピークがありましたが、最新の統計では60代前半と後半に新たなピークが出現し、以前のピークを上回っています。

65歳以上の乳がん患者数はここ10年間で倍以上に増加しました。2016年の統計では30代の乳がんより80代の乳がんのほうが多く20代より90代のほうが多く10代の乳がんは3人に対して100歳以上で80人もの乳がんが診断されています。

 

乳がん患者数高齢者乳がんと言っても診断法、治療法に特別なものはありません。全身状態が許せば手術、放射線、抗がん剤、ホルモン剤治療が必要に応じて施されます。治療成績も若年者と比べて違いはありません。おそらくこのことは乳がんに限らず、すべての臓器のがんについて言えることでしょう。

 

日本人の高齢化はこれからさらに拍車がかかります。乳がん検診を何歳から実施するかという議論は盛んにおこなわれています。それと同時に検診年齢の上限を設ける必要があるのか、設けるとしたら何歳なのかはこれからの議論が待たれます。また最近はがんの新薬がどんどん開発されています。その効き目は素晴らしいものの、価格が超高額になることが問題視されています。高齢者にそうした超高額な薬を使う適応があるのかといった意見も散見されます。

 

これからの超高齢化社会を迎えるにあたり、国民全体での議論が必要と思われます。

様々な問題はあるかもしれませんが、私の個人的意見としては、年齢にかかわらず適切ながん診療が行われることを切に願います。

 

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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