乳腺甲状腺超音波医学会-院長のひとりごとコラム

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乳腺甲状腺超音波医学会

 乳腺甲状腺超音波医学会「女性超音波技師」イメージイラスト季節外れの暑さの中、東京で乳腺甲状腺超音波医学会が開かれました。この学会は乳腺甲状腺超音波に特化した学術集会です。今回は日本超音波医学会との共同開催でした。暑い中、全国から多数の参加者がありました。この学会も女性医師の比率が高く、超音波技師はほとんど女性です。皆さん非常に熱心で、学会は午前8時30分始まりで、お昼のランチョンセミナーの事前申し込みは午前8時の段階で人気のものは埋まってしまいます。

 

 今回注目したセッションは“乳腺領域超音波検査におけるAI診断の現状”です。5題の演目のうち、2題はコンピューター工学系の先生で1題は消化器内視鏡専門医の先生でした。AIはチェスの名人を皮切りに将棋、囲碁のプロも破るほどの腕前です。おそらく正しく教育をすれば超音波診断能力もいずれ人を凌駕するでしょう。そのためには正常および異常の超音波画像が大量に必要となります。コンピューターは深層学習により、データが多くなればなるほどその精度が上がります。現在、学会が主導をしてそのビッグデータを集積しているところです。

 

 消化器内視鏡の分野では東京大学、癌研病院、大阪国際がんセンターが協同してデータを集積し、AIに教え込みました。その結果、早期がんやピロリ菌感染、潰瘍性大腸炎などの診断ができるようになりました。精度は熟練医師と同程度で、その速さには目を見張ります。それにコンピューターは疲れを知りません。さらに症例を重ねるたびに賢くなっていきます。この成果は世界的学会および医学誌でベストアワードを取りましたと自慢しておられました。確かに専門外のものにもわかるほど素晴らしい内容で、こういう発表では珍しく講演後に会場から拍手がわきました。乳腺甲状腺超音波医学会「AIコンピュータ」イメージイラスト

 

 超音波検査機器の進歩も著しく、AIの導入ももう目の前かという雰囲気の学会でした。乳がん診療における超音波検診の重要性が叫ばれています。技術の進歩によって安全、確実に乳がんを早期に発見することによって乳がん死亡を減らすという大目標にまた一歩近づいたように感じられました。

 

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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