乳がんとタバコ-院長のひとりごと

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乳がんとタバコ

 乳がんとタバコのイメージイラスト5月31日はWHO(世界保健機構)が制定する世界禁煙デーです。

タバコはがんや心臓病を引き起こすなど百害あって一利なしです。

がんを引き起こす要因にはいろいろありますが、その3分の1はタバコによるものと言われています。次に大きな要因として食事などの生活習慣があげられます。

生活習慣をいくら改善しても危険をゼロにすることはできませんが、タバコはやめれば理論的に危険を回避することができます。

つまり禁煙によって世の中のがん3分の1をなくすことができるのです。

 

 

日本をはじめ世界の臨床データは乳がんについてもタバコが危険因子であることが証明されています。

さらにタバコの害は吸う人にとどまらず、周りにいる人も影響を受けます。いわゆる受動喫煙です。

乳がんに関しても受動喫煙が危険因子であることが証明されています。つまりタバコは吸う人にとどまらず、家族をはじめ周りの人の乳がんのリスクも上げてしまいます。

 

 世界的な禁煙運動の広がりにより日本でも喫煙率は減少傾向にあります。

ただし女性の喫煙率は横ばいで、若い女性ではむしろ増加傾向にあります。

日本では乳がんの発生は右肩上がりに上昇しています。タバコもその要因の一つであると危惧されます。

 

 がんの予防というとき、がんの発生自体を防ぐことを1予防といいます。

がん検診はできてしまったがんをできるだけ早く見つけて早く治療しようということで、これは2予防といいます。がん検診の成果は目に見えますが、1次予防はなかなか目に見えません。しかし明らかに1次予防でがん発生を防ぐ方が利益は大きいと考えられます。

禁煙による不利益はまず考えられません。

タバコを吸う人も吸わない人も、この点をもう一度よく考えて禁煙に踏み切りましょう。

個人にとどまることなく社会の大きなムーブメントとして禁煙を推し進めたいものです。

 

 世界禁煙デーをきっかけに一人でも多くの人に関心を持っていただき、その延長線上に乳がんの発生を防ぎ、乳がん死亡を減らすという大きな目標が達成できることを願ってやみません。

 

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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