北斗晶さんの乳がん-院長のひとりごと

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北斗晶さんの乳がん

 世界乳癌月間元プロセスラーでタレントの北斗晶さんが乳がんを告白しました。衝撃が日本を駆け巡りました。第一の衝撃は、北斗さんは毎年検診を受けていたのに見つかった時には乳房全摘が必要であったということです。毎年検診を受けていても、必ずしも万全ではないということが衝撃でした。第二の衝撃は初発症状が痛みであったということです。乳房の痛みはたいていの女性にとって日常しばしば感じるものです。それにいちいち乳がんではないかと心配していたらきりがないという衝撃です。通常乳がんは毎年検診をしていれば、たとえ見つかっても早期の場合が多いものです。また乳がんは痛みを伴わない場合が多いので、痛いからといって大変心配ということはありません。もちろん痛い乳がんもあるので、痛みがあれば心配ないということでは決してありません。つまり北斗さんの乳がんはやや珍しいケースであるといえます。しかしその影響力は非常に強く、北斗さんが告白して以降日本中の乳腺外来は大混雑となりました。当院でも問い合わせの電話が鳴り続き、大変ご迷惑をおかけしてしまいました。

 

 日本人女性の乳がん罹患数は増加の一途をたどり、今や年間7~8万人が診断されます。確率的にその中には芸能人や有名人も含まれてきます。最近は自分が乳がんであることを堂々と告白する人が増えています。そうしたニュースに触れると、普段自分とは関係ないと思っている人も急に心配になってきます。私たち乳腺専門医とすれば、どういう形であれ乳がんを自分のことと意識していただくことは悪いことではないと考えています。これを機会に改めて乳がんという病気について考えてみてください。具体的にはどうすればいいのか?やはり乳がん検診を定期的に受けていただくようにお願いします。症状がないうちに見つかる乳がんは治療成績も良好ですし、比較的軽い治療で済む場合が多いです。それでも万全でないのは事実です。その場合はどうすればいいのか?乳がん検診を補うものとしては自己検診が勧められます。自分の乳房に関心を持つだけでも効果はあります。それに加えて入浴時に自己検診をしてください。そこで少しでも異常に気付いたら乳腺専門医を受診することをお勧めします。院長のひとり言2015年10月

 

 乳がん罹患数の増加に伴い、乳がんで命をなくす人の数も増え続けています。私たち乳腺専門医は乳がん死亡を減らし、乳がんを撲滅できるよう日々努力しています。10月は世界乳癌月間です。ぜひとも皆さんのご協力を仰ぎたいものです。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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