エボラ出血熱は怖いか?-院長のひとりごと

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エボラ出血熱は怖いか?

 エボラ出血熱は怖いか?

 感染をしたら致死率が50%近いですから、それはそれは非常に怖い病気です。ただ一般の日本人について脅威かと言われれば、それほどでもないと答えられるでしょう。というのは感染力がそれほど強くないからです。エボラ出血熱に感染するためにはエボラ出血熱患者と濃厚接触する必要があります。同じ飛行機に乗り合わせていたくらいでは感染しません。同じ電車に乗り合わせても、まず大丈夫でしょう。今のところアフリカ以外の感染患者は、医療関係者に限られています。そうです。医療関係者にとってエボラ出血熱は脅威です。患者から採血をしたり、点滴をしたり、下痢便やおう吐物の処理をする必要があるからです。

院長のひとりごと 2014年12月号 エボラ出血熱は怖いか?

 

 エボラ出血熱はエイズとよく似ています。どちらもウィルス感染症で、感染すると治りにくく死に至るケースも多々ありますが、感染力がそれほど強くありません。したがって一般人にとってはそれほど問題にはならなくても、医療関係者にとっては脅威です。ニューヨーク市ではエイズ患者が数万人にも及びます。人口比にして200人に1人くらいがエイズ患者という計算になります。したがって救急患者が搬送されてきたときにエイズ患者である可能性を考慮して処置にあたる必要があります。幸い日本ではそういう危険性は極めて稀です。アメリカでは外科医である私がいまだかつてエイズ患者を治療したことがないと話すとなかなか信じてはもらえませんでした。

 

 今やエボラ出血熱が世界で大問題となっています。アフリカでは多数の人々が感染をし、死に至っています。病気終息のために現地アフリカでの市民への啓発、衛生活動が必要です。物質的、人的援助が急務です。また世界への病気の広がりを食い止めなければなりません。そのためには水際で感染者を食い止める必要があります。早急に適確に感染者を見つけ、適切に処置しなければなりません。医療関係者はもちろん、一般市民も十分エボラ出血熱の正しい知識を共有しなければなりません。そうすればいずれ身の回りで感染患者が発見されてもあわてることはありません。適切に対応し、正しく対処されれば恐れるには足りません。

 

 願わくは早期に病気が終息することが望まれます。今後さらにこのような恐ろしい病気が人類を襲ってくるかもしれません。それに対する心の準備も怠ってはならないと思われます。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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