生肉は食べるな-院長のひとりごとコラム

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生肉は食べるな

 生肉食中毒問題が話題になっています。私たちは医学部の細菌学で生肉培養実習というのを行います。学生一人ひとりが家から生肉を持ってきて、すりつぶして培養液に入れ、培養するのです。そうすると100%細菌が生えてきます。量の多い少ないはあるにしても、生肉には必ず細菌がついていることを学びます。細菌がついているからといって、それを食べると必ず食中毒をおこすというわけではありません。ついている細菌の種類や数それに食べた人の抵抗力によって、発病するかどうかや重症化するかどうかが違ってきます。

 

生肉は食べるな

 いずれしても生肉を食べるということは、それなりの危険が伴うという認識が必要です。肉は焼くなり煮るなり熱を加えればそこについている細菌を死滅させることができます。どうしても生で肉を食べなければならないという状況はそう多くはないのではないでしょうか?肉などはむしろ調理をして、火を加えたほうが旨みが増します。少なくとも子供やお年寄り、病気の人は生肉を食べないほうがいいでしょう。いくら健康な人でも、細菌の量が多いと食中毒になります。肉も時間がたてばたつほど、細菌の量が増えるものと考えられます。食べるときには充分にそのあたりを考慮する必要があります。

 

生肉は食べるな 生食でもうひとつ問題になるのは、牡蠣です。生牡蠣にはA型肝炎ウィルスがつきます。これも細菌学の授業で、生牡蠣にはウィルスがついているものと認識しなさいと教えられました。それ以来私は生牡蠣を食べずにいましたが、あるとき海外で勧められて食べた生牡蠣は絶品でした。それからは新鮮で信頼できる店なら、体調が充分なときを見計らって少しだけ生牡蠣をいただきます。もっと欲しいなというくらいが丁度いいかもしれません。

 

 肉にしても牡蠣にしても、わざわざ生で食べなくても煮ても焼いても油で揚げてもおいしくいただけます。安全を考えれば生で食べるべきではありません。

これから梅雨の季節になります。梅雨のじめじめした気候は細菌の増殖にはうってつけです。食中毒に充分注意をして、この季節を乗り切りましょう。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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