日本乳癌検診学会2010-院長のひとりごとコラム

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日本乳癌検診学会2010

 今年の日本乳癌検診学会は11月19、20日に福岡で行われました。 今回のメインテーマは何といっても昨年度から開始された無料クーポン検診の総括でしょう。

日本乳癌検診学会2010私も西宮市の現状について発表しましたが、どの自治体もよく似た状況であることが確認されました。つまり無料クーポンによって飛躍的に受診者数は増加したものの、目標あるいは想定したほどではなかったということ。但し検診受診者の増加に伴い、発見乳癌は増えました。

もちろん検診発見乳癌は早期あるいは超早期の割合が高く検診の意義は確認されました。

問題点は無料クーポンが3月締め切りということで、駆け込み受診が多く対応に苦慮したことです。受診者が検診を受けやすくするための環境作りはもちろん大事ですが、検診実施側の体制を整えることも大事であることが強調されました。

今のところ国は少なくとも5年間はこの無料クーポンを配布する予定となっています。

昨年度の総括をして、問題点を改善し更なる検診の充実を目指すことが確認されました。

 

 もうひとつ今回の学会で注目されたのは超音波検診です。

日本における乳腺診療の中で超音波検査の重要性は諸外国に比べて高く、技術的にも優れています。現在世界に先駆けて超音波乳癌検診の有用性についての大規模臨床試験が行われています。ここ数年でその結果が出ますが、関係者は自信を深めているようです。臨床試験を行うことによって様々な問題が提起され、それを解決することにより超音波検診ひいては超音波検査自体のバージョンアップがなされています。つまり検診を通して、微妙な病変の読み取りが必要となりそれを体系化することにより超音波検査の教科書を書き換えるほどになっています。その成果について、諸外国の乳腺専門医も注目しているということです。日本発の世界に向けての情報が発信できれば言うことはないのではないかと期待が膨らみます。

 

 さて今回の学会での付録のお楽しみです。 玄界灘のおいしい魚を求めて地元の日本料理店に入ったところ“アラづくし”という見慣れないメニューがありました。聞けばアラとは関西のクエであることが判明しました。クエといえば幻の高級魚で私もほとんど口にしたことがなかったのでフグよりも高い値段でしたが、思い切って注文しました。刺身に焼き物、鍋、締めは雑炊をいただきました。 フグに似て口当たりはあっさりしていますが、フグよりもアブラがのっていて濃厚な味わいがあり雑炊は絶品でした。思わぬ掘り出し物に大満足の学会でした。

 

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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