今回はいよいよ乳がんと食べ物(食事療法3)の最終回です。乳がんの食事療法についてまとめたいと思います。今回も世界の大規模な臨床研究を基に14項目の乳がん予防指針の概略をお示しします。
1.禁煙するとともに、受動喫煙を避ける。
2.肉類を避ける。
3.飲酒量を減らす。
4.閉経後の肥満を解消させる。
5.閉経後ホルモン補充療法を利用しない。
6.慢性の炎症を解消させる。
7.サプリメントを利用しない。
8.ビタミンDを多く摂る。
9.閉経前の女性は、カルシウムを多く摂る。
10.穀類由来の食物繊維を多く摂る。
11.大豆や大豆製品を毎日食べる。
12.EPA,DHAを多く摂る。
13.積極的に運動する。
14.乳がん検診を受診する。
前回お示ししたがんの予防指針とよく似ています。特徴的なのはアルコール、ホルモン補充療法、歯周病や皮膚炎などの慢性炎症は乳がんのリスク因子であること。
ビタミンDやカルシウム、大豆製品、EPA,DHAの摂取が乳がんの予防に働くこと。 それと乳がん検診です。
乳がん患者さんは上記の14項目に軽い運動と低脂肪食が勧められます。
さらに手術、抗がん剤、放射線およびホルモン治療中は特別な注意が必要になります。
再発したときは、そのときの治療に応じて術後治療中の注意に準じた対処が必要です。個々人で対応の仕方が違いますので、主治医の先生とよく相談しましょう。
乳がん患者さんはもちろん、そうでない女性の体内には目に見えない形でがん細胞が潜んでいる可能性があります。その数が何十億、何百億以上にならないとがんと診断がつきません。
がんがないと思っていても、がん予防に役立つ生活習慣特に食生活に気をつけることは大事です。たとえがんをもっていたにしても、それが大きくならなければ天寿を全うできるのです。食事は毎日のことです。しかも自分でコントロール可能です。充分なデータは出揃っています。健康に良い、がん予防に役立つ食事を心がけましょう。
著者 院長・医学博士 先田功
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