乳がんと食べ物(食事療法2)-院長のひとりごとコラム

さきたクリニック
院長のひとりごと コラム HOME
院長のひとりごと コラム
院長のひとりごと コラム HOME

乳がんと食べ物(食事療法2)

 前回は一般的食事療法についてまとめてみました。 今回は乳がんと食べ物(食事療法2)です。がん全般と食べ物について述べてみたいと思います。そして次回(最終回)はいよいよ乳がんと食べ物ということになります。 世界がん研究基金というところが、世界の大規模な臨床研究を基に10項目のがん予防指針を出しました。以下にその概略をお示しします。

 

乳がんと食べ物(食事療法2)1.標準体重を維持し、ウェストサイズが増えないようにする。

2. 毎日30分以上の運動をする。

3.高カロリーの食品を控えめにし、糖分を加えた飲料を避ける。

4.野菜、果物を1日5品以上食べる。
(全粒穀類、豆類を毎日食事に取り入れる。精製されたでんぷん食品は控える。)

5.肉類を控えめにする。(加工肉を避ける。)

6.アルコール飲料は適度に控える。

7.塩分の多い食品を控えめにする。

8.がん予防の目的でサプリメントの使用は推奨できない。

9.生後6ヶ月までは母乳で育てるようにする。

10.がんを患った人は上記1~9の推奨に従う。
(または専門家から適切な栄養指導を受ける。)

 

 10項目のうち2~7が食べ物に関することです。 項目1や8・9も食べ物についてと言えなくもありません。このようにがん予防において食べ物の重要性は科学的に証明されています。 がん予防に最も効果的なのは禁煙です。もし完全に禁煙が実現できたら、がんの3割は予防できると予測されています。

がんの原因として、食べ物も3割以上関与していると考えられています。

さらに項目10にあるように、適正な食生活によってがん患者の更なるがん予防および病勢の改善も期待できます。そしてこの内容はメタボ対策ともほとんど重なります。 乳がんと食べ物(食事療法2)

つまりがん予防を目指した生活習慣の改善は、メタボにも効果があり心臓病や脳卒中、糖尿病の減少にもつながります。健康を考えたときに、これらの指針に従うことは非常に有用です。

一つ一つの項目を見ると、それほど難しい内容とは思えません。しかしいざ実行しようとなると、肉類をはじめおいしいものは概してカロリーや塩分が高いですしお酒のみにアルコールを控えるように助言してもわかってはいてもなかなか実行できません。

玄米や全粒粉小麦が体にいいのは分かっていても、やはり白いお米やパンのほうがおいしいのは事実です。

バランスよく食べているようでも、量が多いと体重が増えます。 毎日のことだけに、実行するのは並大抵ではありません。

一気にすべてを満たすのではなく、1項目1項目じっくりと取り組んでとにかく実行していくことが大事でしょう。

 

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
さきたクリニックホームページ

さきたクリニック

著者 院長・医学博士 先田功

さきたクリニック

〒662-0971
兵庫県西宮市和上町2-35 テルヴェ101

院長・医学博士 先田功