新型インフルエンザが確認されて1年が経とうとしています。
最初はメキシコとアメリカで報告され、結果的に全世界的に広まりました。
日本でも昨年のゴールデンウィーク明けに初めて感染が確認されて後、まず都市部でそして地方でもと全国的に患者数は増え累積患者数は1500万人とも言われています。
つまり国民の1割以上がこの病気にかかった計算になります。そういう意味で非常に恐ろしい病気だといえます。
現時点でそのピークは過ぎ、ワクチンも届くようになり新たな変異でも起こさない限り終息に向かっているといえます。
感染力は強いものの、致死率が低かったこと(通常インフルエンザ並みかそれ以下)でそれほどの脅威ではなかったといえます。
しかしそれで安心するわけにはいきません。
新たな新型インフルエンザが発生することは間違いないといわれています。
おこるかおこらないかではなく、いつくるかの問題といわれています。
次の新型インフルエンザの致死率はもっと高いかもしれません。
今回の致死率が0.05%以下といわれていますが、これが1%とか2%というオーダーだと、15万人から30万人の死者が出ることになります。
もっと高い致死率のインフルエンザが発生しないとも限りません。
そんなときのために、今回の流行から教訓として学ばなければならない点が多いと思われます。 今回のインフルエンザに対する対応として、国や自治体が適切であったとは決していえません。われわれ医療関係者も右往左往する場面があったことは否めません。
これらの反省を元に、今後の対策を立てることが大事です。
そして最終的には一人一人の心がけが重要になってきます。
またそれがある程度可能なのがこの病気であるといえます。
うがい、手洗いによる予防およびマスクエチケット。
不要不急の外出を避けることおよびそのための生活用品、食料、水の備蓄など。
災害に対する備えと同じで、平時に整えておくことが必要です。
そして今後、別の新型インフルエンザが発生したときには今回の教訓を十分に生かし、冷静に対処するという心の準備が何より大事です。
最終的には自分の身は自分で守るという覚悟が必要ではないでしょうか。
著者 院長・医学博士 先田功
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