標榜科-院長のひとりごとコラム

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標榜科

 標榜科というのは病医院の内科とか外科とかいう何何科というものです。
これには国の規制があり、勝手に命名することができません。標榜科 イラスト
この規制が、今年の4月から変更になりました。

実はそれ以前は乳腺科という名前は使えませんでした。
クリニックの名前には、この標榜科で使えない単語は使えません。 それで“さきた乳腺クリニック”や“さきたブレストクリニック”という名前では保健所から許可が下りませんでした。
しかし実際には全国に、そのような名前のクリニックはたくさんありました。
その点を保健所に問い合わせましたが、許可は管轄の保健所が行うのでほかの地域の事情は分からないが西宮市では認められないとのことでした。
そこでそのような名前のクリニックに問い合わせてみました。
弁護士をたてて名前を勝ち取ったクリニックがあったり、医師会から乳腺疾患以外は診ないとの条件で認められたり、許可のときだけ違う名前で出してその後勝手に名前を変えたりと事情はいろいろでした。
要するに規制はあるものの、罰則は無いので運用は保健所任せのようでした。 また横浜で裁判を起こしたクリニックがありましたが、法律論争では原告の敗訴が決定しました。
当院の場合、西宮の保健所が認めない限りは許可が下りませんので仕方なくクリニックの名前乳腺の文字を入れることはあきらめました。

それで今年の4月からはどうなったかといいますと、乳腺が認められるようになりました。
但し、乳腺科はだめとのことです。
臓器の名前を標榜科につけるときは、その後ろに内科なり外科なりの言葉を入れる必要があるということになったのです。
つまり乳腺外科はいいが、乳腺科はだめということです。
同じ理屈で、今までは認められていた消化器科や胃腸科はだめ消化器外科とか胃腸内科などという名前でないといけないことになりました。
但し、現在その名前を名乗っているところはそのままでもいいということです。
つまりこれから新たに開設しようとする病医院は新しい規制に当てはめられるわけです。
規制変更にはいろいろ理由があるのでしょうが、なかなか複雑で結局すべての矛盾をクリアーできることは無いようです。

当院は一応、標榜科は乳腺内分泌外科(本当は乳腺甲状腺外科にしたかったのですが、甲状腺はいまだに認められない臓器で名乗れないとのことなので。)、消化器外科と変更しました。
クリニックの名前は変更しないこととしました。
名前や看板はともかく、実際の診療は今までどおりで変わりはありません。
これからも基本的スタンスは変わらず診療してまいりますので、よろしくお願いします。

 

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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