乳癌学会報告-院長のひとりごとコラム

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乳癌学会報告

 今年の乳癌学会は9月26日27日に大阪で開催されました。

乳癌への関心の高まりを受けて、年々参加者数は増加の一途をたどっています。
今回の学会のテーマは“標準化から個別化へ”でした。
診断、治療法の進歩に伴いよりきめ細かい診療を目指すということが目的です。
新たな診断、治療について活発な討議が展開されました。
特に乳癌に有効と思われる新薬の候補が目白押しで、実用の日も近いものと期待されました。

私が特に注目したセッションは、乳癌領域における病診連携をテーマに行われたシンポジウムでした。
乳腺疾患の患者さんの中核病院への集中のため、大きな病院の乳腺科はパンク状態にあります。
そこでは医師をはじめ医療スタッフの疲弊と、患者さんの長い待ち時間が問題となっており、医療の質の低下も招きかねないのが現状です。乳癌学会報告
乳癌診療におけるチーム医療の有効性が唱えられています。
今までそれは病院内にとどまっていましたが、それを病院の外にまで広げて地域の開業医中小病院を巻き込んでその輪を広げようとする動きが進んでいます。
そのための課題も多くありますが、地域の医療資源が有機的に活用されることにより、更なる乳腺診療の発展が望めるものと思われました。

ところで学会が地元で開催されることの利点は、日常の仕事を中断される程度が少ないことです。しかし学会に集中できないということは欠点かもしれません。
個人的には、学会でいろいろな地方を訪れその地の人や文化に接するのもひとつの楽しみですが、さすがに大阪ではそれが今回は無いのが少し残念ではありました。
それはともかく様々な知見に大いに刺激を受けました。
明日からの診療にまた新たな気持ちで取り組んでいきたいと思いました。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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