医療ドラマ-院長のひとりごとコラム

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医療ドラマ

 私にとって医療ドラマといえば“白い巨塔”です。
ただし唐沢寿明版ではなく、田宮二郎版です。小説も映画もテレビも夢中になって見ました。
特にテレビドラマは、医学部受験前の非常に大事な時期に再放送され我慢できずに毎日見てしまいました。
優秀な外科医の財前と内科医の里見ではあるが、その人間性の対比を軸としたストーリーに魅せられました。
舞台は国立浪速大学医学部で、これはもちろんわが母校大阪大学医学部です。受験生時代にはここがあの舞台かと思いつつ阪大を訪れましたが、大学入学後はあまりそういった感慨はもたなくなりました。

医者になってからは、医療ドラマをまともに見られなくなってしまいました。というのは随所にそれはないだろうという場面が出てくるからです。
そういう場面に出くわすと、いくらストーリーが面白くてもついしらけた気分になってしまいそれ以上物語の中に入っていけなくなるのです。
そんな中ではまってしまったのはアメリカの医療ドラマ“ER”です。
そのテンポの良さと、リアルさ、そして垣間見えるアメリカ医療の内側が非常に興味深かったです。まだ日本では癌の告知が一般的でなかった時期に、ドラマでは救急車で運ばれてきた患者が末期の肺がんであると判明するや否や、それを告げてしまう場面や、事故で脳死に陥った子供の親にいきなり臓器移植の話をする場面にはただただ驚いてしまいました。
医療ドラマ
近頃は結構医療ドラマを楽しんでいます
考えてみれば、刑事ものや法廷ドラマ、そのほかいろいろな専門職のドラマにしてもきっとその世界の人が見ればそれはないだろうと思っているのではないでしょうか。
何か訴えたいテーマがあれば、多少デフォルメした形で表現しなければならないだろうと思えるようになってきました。
むしろ、一般の人から見たら医者はこういう風に見えるのだとか、こんな風に考えているのかと勉強になったりします

最近の医療ドラマは日本の医療崩壊の現状を踏まえ、産科や小児科、救急医療の問題および公立病院の破綻などを取り上げており興味深いものがあります。
現実の報道だけでなく、こういう身近な形で現在の医療問題が取り上げられ国民の関心を高めることは悪くないことだと思います。
またそんな深刻な状況にあっても、主人公の医者はかっこよく描かれています。
それはないだろうと思いつつも、こういうドラマをきっかけに医師の道を目指す若い人が増えれば、それは喜ばしいことだと思います。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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