西宮市乳がん講演会-院長のひとりごと

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西宮市乳がん講演会

 先日、西宮市乳がん講演会”乳がん早期発見のために今できること“で講演しました。平日の午後、絶好の行楽日和にもかかわらず多くの方に出席していただきました。一時預かり保育所も開設され、小さなお子様連れのお母さんにも参加していただきました。予想以上に多くの女性に関心を持っていただいた背景には昨年来の北斗晶さん効果があるものと思われました。講演ではまず、その北斗さん効果についてお話ししました。北斗さんが乳がんを告白して以来、全国の乳腺外来は大混雑となりました。当院も例にもれず、従来の4~5割増しの患者さんが受診しました。おかげで?発見乳がんもそれに比例して増えました。おそらくこのことがなかったら発見はもっと遅れたかもしれません。これが一時のブームに終わることなく、これを機会に一人でも多くの人に自分の乳房に関心を持っていただきたいものです。

 

 講演の本題は1.乳がんの疫学、2.乳がんの診断、3.乳がんの治療、4.乳がんの予防の順にお話ししました。疫学では今や日本人の乳がんり患は年間7万人を超え、生涯18人に1人が乳がんになる時代となった現状をお示ししました。しかも日本人の乳がんは30代~50代に多いのが特徴です。診断では視触診、マンモグラフィおよび超音波検査が3種の神器であること、特に見て、触ってわかるのが乳がんの特徴であることを説明しました。治療では主に手術の進歩について解説しました。診断技術も治療法も日々進歩を遂げています。最後に予防については、まず生活習慣が大事です。食生活や運動の習慣、喫煙やアルコールの影響が乳がん発症に大いにかかわってきます。そして重要なのが検診です。市が行っているマンモグラフィ検診はまだまだ受診率が低いです。見て触ってわかるがんだからこそ、自己検診が必須です。さらに昨年J-STARTの結果が出ました。乳がん検診に超音波検査が有用であることを大規模臨床試験で証明した世界初日本発の研究成果です。今後、乳がん検診に導入されることが期待されます。

 

 講演会ではマンモグラフィ検査の実際をDVDで映したり、乳がんの腫瘤が埋め込まれた擬似乳房を触っていただいたりしました。アンケート結果も良好で、これを機会に乳がんに対する理解が少しでも深まれば幸いです。できればその関心を一時的にすることなく、さらに周りの人たちに広めていただけると最終目標である乳がんの撲滅に一歩でも近づけるのではないかと期待します。

著者 院長・医学博士 先田功

 

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