第23回日本乳癌学会学術総会-院長のひとりごと

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第23回日本乳癌学会学術総会

 第23回日本乳癌学会学術総会7月に第23回日本乳癌学会学術総会が東京で開催されました。参加人数は6000人超と大盛況でした。相変わらず女性の参加者が多いこと、コメディカルの参加が多いことが特徴です。

 

 私がまず注目したのはシンポジウム“乳腺クリニックがささえるこれからの乳がん診療”です。病院の乳腺外来はパンク状態で患者さんにとっても医療者にとっても良い状態であるとは言えません。そこで国の施策としてもクリニックが病院と緊密に連携を取りより良い診療環境が整えられることが目指されています。全国で多くの乳腺クリニックが開設され、それぞれ地域にあった形での病診連携の実例が報告されました。それとともに全国の乳腺クリニックにアンケート調査が実施され、現状と今後の課題が話し合われました。今後もこういう機会を積極的に利用して、より理想に近い乳がん診療がなされるよう努力が必要であると結論付けられました。

 

 次に注目したセッションは超音波検診についての日本と韓国、台湾の合同シンポジウムです。日本発のJ-STARTの結果は韓国、台湾も大いに関心を寄せていました。中間報告ながら、良好な結果が発表され今後日本だけでなくアジアから世界に発展する予感が感じられました。韓国ではすでに全国的に超音波検診が進められており、その功罪が発表されました。一部報道にもあったように、甲状腺がんの発見が非常に増え臨床的にどう解釈するかという問題提起がなされました。台湾も超音波検診が積極的に導入されており、その経験からより有効な検診の在り方が論じられました。日本、韓国、台湾は乳がん診療に関して欧米とは違う共通点があることが再認識され、今後も同様の交流を深め乳がん診療の発展に寄与することが大事と思われました。

 私は今回、西宮市における無料クーポン事業5年の総括について発表しました。このセッションでは全国の対策型検診の問題点が討論されました。その成果をさらに地域でフィードバックすることが望まれます。

 

 第23回日本乳癌学会学術総会今回の学会では第2回P-1グランプリというご当地ピンクリボンバッジコンテストが行われました。兵庫県からは兵庫医大ブレストチームが阪神タイガースとコラボをしたピンクリボンバッジで参加しました。約60チーム中4位と好成績でした。乳がん診療でもプロ野球でも兵庫県、タイガースがますます活躍することを祈念してやみません。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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