昨年の夏から始まった無料クーポン券による乳がん検診が今年の3月で一区切りとなりました。実質昨年の9月から実施されましたが、出足は緩やかでした。
10月に入ると受診者は急増し、西宮市では関係各所で対策が立てられました。
11月12月は受診者数が減少に転じ、期待はずれの感がぬぐえませんでした。
ところが年明けから受診希望が増加の一途をたどり、有効期限が3月いっぱいということで2月の段階でほぼ予約は満杯状態となりました。
急遽、西宮市で対策会議を持ち、各医療機関に時間外での受け入れや更なる枠の増設をお願いして何とか3月を乗り切りました。
当院でも木曜の午後に無料クーポン検診枠を増設し、3月には土曜の午後も臨時で検診を行い、金曜午後の診察も無料クーポン枠として対応しました。 それでも3月中旬には枠がいっぱいになり、保健サービスセンターを通じて他院での受診にまわっていただきました。 最終的に西宮市における無料クーポン受診者は4000人を越えました。
対象者が約17000人ですから最低目標の30%もクリアできなかったことになります。
国の目標は50%ですから、それには遠く及びませんでした。
私個人としては無料なので、もっと増えるかなと予想していましたが結局それほどではありませんでした。
最終目標は欧米で実施されている70%80%ですから、まだまだといったところです。
ただ3月は各医療機関とも大奮闘で、この一月で受診者は1700人を越えました。
平成20年度が1年間で初めて3000人を超えたことを考え合わせると、その半分以上をわずか1ヶ月で受け入れたということは驚異的です。
そのペースでいけば日本の乳がん検診の受診率を上げることも実際的に可能であることが示されたと思います。
今回の無料クーポン検診は国を挙げての壮大な実験といえなくもありません。
おそらくこれから全国での実施状況が明らかになってくるものと思われます。
それらを踏まえて、更なる検診の推進を図る必要があると思います。
ところで検診結果の詳細は現在集計中ですが、途中経過によりますと今回の無料クーポン検診から相当数の乳がんが見つかっているようです。
多くはこの検診がなければ、発見がさらに遅れたものと予想されます。
乳がんはいかに早期に見つけて、早期に治療するかがポイントです。
今年度も同様の無料クーポン券が配布されることが決まりました。
昨年度の問題点をよく検証し、更なる受診率の向上と乳がん診療への寄与を目指したいものです。
著者 院長・医学博士 先田功
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