乳房のしこり-院長のひとりごとコラム

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乳房のしこり

 乳がんは自分で見つることのできる珍しいがんです。

大多数の乳がんは乳房のしこりとして発見されます。

そこで自分の乳房にしこりがないかどうかチェックをする自己検診が大事です。

ということを診察室でお話しすると、多くの方はしこりが有る乳房のしこりのか無いのかよく分からないとおっしゃいます。

それというのは皆さんがしこりを触ったことが無いからです。
乳腺外来でいろいろな検査をして異常が無かった場合、その状態をよく覚えておいてくださいとお願いします。しこりのない状態がよく分かっていれば、万一しこりができた場合にわかる確率が高いからです。われわれ医師は手と指でしか感じることができませんが、女性は自分の手と指そして体自身で感じることができます。

つまり医師よりも敏感であるといえます。ただ違うのは、医師は様々の病気を診ているのに対して、一般の方々はそういう経験が無いということです。

 

乳腺にしこりのできる病気は乳がんだけではありません。 良性の病気もあります。

割合的には悪性よりも良性のほうがはるかに多いのです。

しこりが有るか無いかは、きっと皆さんのほうが敏感です。 しかしそれがどういうしこりであるかの判断がつきませんから乳腺外来を受診する必要があります。

それともうひとつ、しこりが無いのにしこりがあるのではないかと心配されている方が結構おられます。

その多くは乳腺症と呼ばれる状態です。

これは病気ではないのですが、女性ホルモンの状態により乳腺の表面に凹凸ができる場合があります。これを皮膚の表面から触るとしこりのように触れます。

しかし超音波検査やマンモグラフィをしてもしこりはとらえられません
乳腺専門医が触診するとその区別も大体つきます。
ただ一般の方々ではなかなかこの区別がつきませんから、一度検査をして異常がなければそれはしこりでないのだということが認識できます。また肋骨のふくらみを触れてしこりがあると来院される方も結構おられます。
いずれにせよ一度乳腺外来を受診して、自分の乳腺の状態を把握しておくことが大事ではないでしょうか。
とにかく乳腺に関して、何か不安を感じたら乳腺外来を受診しましょう。
さらにわれわれ乳腺専門医が目指しているのは、症状の無いうちに乳がんを見つけることです。つまりしこりをつくる前の乳がんを見つけることができれば、治療の成績は飛躍的に向上します。それが乳がん検診です。

症状の無い方に乳がん検診を受けていただき、早期の乳がんを見つけることが大事です。

 

今、日本人女性の乳がんと乳がん死亡が年々上昇しています。

それを防ぐ方法は乳がん検診の受診率を上げることにつきます。

まずは自己検診、そして定期的乳がん検診

この2本柱で日本人女性の乳がん死を少しでも減らしたいものです。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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