同級生が教授就任-院長のひとりごとコラム

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同級生が教授就任

 昨年同級生が私の所属する外科の教授に就任しました。
これまで私は2代の教授に仕えてきました。
研修医から派遣病院、そしてアメリカ留学、学位取得までお世話になった先々代の教授は正に雲の上の大先生でした。先代の教授には私が乳腺を専門にする道筋をつけていただき、大学では助手として直接指導をしていただきました。いずれもこちらに選択の余地は無く、教授の言われるがままでした。まさに大学医学部の教授というのは、医局員にとっては絶対権力者でした。そんな教授に大学の同級生がなったというのはとても変な感じです。
権威は幾分落ちたかもしれませんが、いまだに教授の権限には絶大なものがあります。
きっと若い医局員にとっては雲の上の人なのではないでしょうか。
そんな教授を若いころから知っていて、一緒に学び、一緒に遊び、時には一緒にバカもしました。今でも同級生という意識は全く変わりませんが、公の場では教授として一線を画さなければなりません。
彼は決して権力欲や名誉欲の強い性格ではなく、むしろそういったこととは対極にあるような人柄なだけに、孤独で大変ではないかと心配してしまいます。
医療再建
先日のNHK特集の題名は“医療再建”でした。
今の日本の医療は崩壊の危機に瀕しているとばかり思っていたら、もうすでに崩壊していて再建が必要なのだと変に納得してしまいました。
再建のためのポイントは、医師の増員適正配置そして教育です。 その多くを大学医学部が担っており、それを指揮するのが教授の大きな役目と考えられます。小児科医や産婦人科医の不足が大きな問題になっています。
実は母校の産婦人科の教授も私の同級生です。
市民病院から産婦人科医が撤退して、お産ができなくなる事態が生じています。
そんなときに彼は医師を撤退させる大学が悪いといったマスコミの批判を一身に浴びていました。しかしじかに話を聞くと、実際に派遣する医師がいないのが現状でどうしようもないのだととても悩んでいました。

今のままでは外科医不足も近い将来、確実にやってきます。そんな時、新教授もまた矢面に立たされることでしょう。まさに問題山積といったところでしょうか。
悲観的なことばかり書きましたが、医学部教授多くの医局員と傘下の関連病院のトップとして、様々なことができる地位であるといえます。
この大変な時代に医学教育、研究、臨床の各分野で大いに力を発揮して、それこそ医療再建に寄与してほしいと望んでやみません。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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