マスコミの影響-院長のひとりごとコラム

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マスコミの影響

 私たち医師、特に乳腺専門医は日々の新聞、雑誌そしてテレビをチェックしておく必要があります。特にテレビの影響は大きく、乳がん関連の番組が放映された後は乳腺外来の受診者の数が目に見えて増えます。NHKは“今日の健康”で毎年乳癌を特集します。視聴率はそれほど高くないと思われますが、この時期乳腺外来は確実に1-2割受診者が増えます。

芸能人や有名人が乳がんになるとマスコミで大きく報じられ、乳がんへの関心が高まります。
最近若年性乳がんの方のドキュメンタリー番組が、夜のゴールデンタイムで2時間特別放映されました。20代患者さんの劇的な内容でした。
この番組の後は、普段乳腺外来に来院しないような若い人たちが多く受診されました。
中には自分の乳房をきつく触りすぎて、内出血を起こしている方もおられました。
むやみに不安をあおるのもいかがなものかとは思いますが、乳がんに対して少しでも多くの人に関心を持っていただくという意味では良かったのではないかと思います。

マスコミの影響 胃tラスト私たちは以前よりマンモグラフィによる乳がん検診を広めるべく、様々な啓発活動を行ってきました。ただいくら努力をしても、なかなか受診率が上がらない時期がありました。
ところが視触診による旧来型の乳がん検診で乳がんを見落とされ、診断がついたときには相当な進行がんであったという方が、写真と実名を出して新聞に訴えられました。 それをきっかけに、多くの新聞、雑誌がこの問題を取り上げキャンペーンが繰り広げられ、ついには国を動かしてマンモグラフィ検診が一気に進展したいきさつがあります。
このときはマスコミの力の大きさを実感しました。
ほんの5年前ではマンモグラフィが何であるか、多くの人は知りませんでした。今ではその認知度は大きく上がりました。以前は乳腺外来に来られた方に、マンモグラフィをしようとすると、それはどういうものかから説明しなければなりませんでした。ところが最近ではマンモグラフィと言っただけで、理解していただけますし、逆にマンモグラフィを撮ってくださいといわれる方もおられます。

ただ、まだまだ乳がん検診の受診率は低いレベルです。
私たち乳腺専門医は、さらに啓発活動を続けるとともに多くの受診者が来られても大丈夫な体制作りに努力をしています。国民の声を取り上げて、さらにマスコミでも話題になり乳がん検診がもっと一般化することを願ってやみません。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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