小林麻央さん逝去-院長のひとりごと

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小林麻央さん逝去

 平成29年6月22日小林麻央さんが亡くなられました。享年34歳。心よりお悔やみ申し上げます。夫の市川海老蔵さんが、麻央さんの病気について記者会見を開いて1年。麻央さんがブログを開いて9か月でした。早すぎる死に、予想はされていたとは言うものの衝撃が日本を駆け巡りました。小林麻央さん逝去イラスト

 

 英国BBC放送は社会に影響を与えた世界の女性100人に日本人として初めて麻央さんを選びました。がんで闘病する人々をブログで勇気づけたということがその理由でした。麻央さんのような著名人が進行がんを患いながらブログを日々更新するということは世界的にもないことです。その姿は病気の人々を力づけ、その周りの人々の励ましになり、病気とは関係のない多くの人々にも感動を与えました。私もブログをフォローしていましたが、がん患者さんが医療に対して、自分に対して、家族や周りの人に対してどのように思い、行動するのかということをリアルタイムで知ることができ貴重な体験となりました。

 

 麻央さんのブログには愛があふれていました。自分が一番大変だろうと思われるのに幼いお子さんや夫の海老蔵さんそのほかの家族や周りの人々への気遣いを忘れません。またどんなにつらい状況でも前向きな姿勢で臨み、心の強さを痛感させられました。その姿が多くのがん患者さんやその家族に勇気を与えました。最後のブログ更新は亡くなる2日前でした。笑顔の写真とともにお母さんの絞ってくれたオレンジジュースが美味しくて笑顔になれると綴り、最後に“皆様にも、今日笑顔になれることがありますように”と結ばれました。最後まで麻央さんらしい気丈さと前向きな姿勢、人々への愛にあふれた内容でした。

 

 麻央さんのような若い世代の乳がんは決して多いものではありませんが、日本人女性の乳がんは他のがんに比べると発症年齢は若いのが特徴です。乳がんの治療成績は他臓器のがんに比べると良好とはいうものの、病気の性質上命にかかわる場合も少なくありません。麻央さんのような悲劇を少しでも減らすことができるよう、乳腺専門医としてこれからも精進しなければならないと強く思いました。

 

 改めて麻央さんのご冥福をお祈りいたします。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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