免疫チェックポイント阻害薬-院長のひとりごと

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免疫チェックポイント阻害薬

 免疫チェックポイント阻害薬が注目されています。以前、新しいがん免疫療法としてご紹介しました。

注目のポイントは3つあります。

 

 第一のポイントはよく効くということです。従来とは全く違うアプローチであるため、いろいろな治療法で効かなかった人に画期的な効果が認められる場合があります。今は最後の手段のような形で使用されていますが、今後はもっと早い段階で使えばさらなる効果が期待されます。現在、多くの免疫チェックポイント阻害薬が開発され世界で治験が進行中です。その結果が待たれます。

 

 第二のポイントは高価な薬剤費です。

免疫チェックポイント阻害薬の一つであるニボルマブ(オプジーボ)は肺がんに適応がありますが、標準的な使い方をされて一人の患者に年間3500万円かかると言われています。肺がんの患者は日本で年間数万人にのぼりますからそれだけの人に使われれば国家財政に影響を及ぼすほどになります。そこで国は急きょ保険点数を半減しましたが焼け石に水という感じでしょうか。しかし高価だからと言って研究開発をストップするわけにはいきませんし、するべきではないと思います。とにかく良い薬を創ることが病に苦しむ患者さんのためになります。それは広く人類にとって大きな福音となるでしょう。私は楽観的に、それぞれの立場の人たちが全力で立ち向かえば必ず解決策があるものと信じます。

 

 免疫チェックポイント阻害薬イメージ第三のポイントは、この薬のおおもとである物質(PD-1)を発見したのが日本人の本庶佑先生だということです。本庶先生はこの功績により今年のノーベル医学賞の最有力候補です。実は本庶先生は若いときに大阪大学医学部の教授をされていました。私はちょうどその時に医学部生で先生の講義を受け、単位もいただきました。つまり先生がノーベル賞を取られたら私は教え子であると自慢ができます。皆さんも今年のノーベル医学賞に注目してください。

 

 人類はがんに立ち向かう武器をまた新たに手に入れました。さらに一歩がんを追い詰めたという実感です。乳がんをはじめがんの撲滅に向かってさらに前進することを願ってやみません。

 

著者 院長・医学博士 先田功

 

乳がん検診・乳腺外科
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