第13回マンモグラフィ読影指導者研修会-院長のひとりごと

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第13回マンモグラフィ読影指導者研修会

 マンモグラフィ読影指導者研修会に出席してきました。年に1回開催されるこの会も今年で13回を迎えました。全国のマンモグラフィ読影エキスパートが一堂に会するこの機会はとても有意義です。諸事情で出席できない年もありましたが、初回から参加して半分以上は出席しています。

 

 第13回マンモグラフィ読影指導者研修会まず日本の乳がんの現状については、昨年のり患数がなんと89400人死亡者数が13800 人とのことでした。り患数の飛躍的増加については統計が詳細にとれるようになったことが大きいとはいうものの増加傾向には違いありません。死亡者数は前回やや減少しましたが、今回は期待に反して微増となりました。こちらは横ばいであることは間違いなく、このまま減少のトレンドを維持したいものです。

 

 マンモグラフィ読影のデジタル化、モニター診断はますます進んでおり、読影講習会や試験がまだフィルムベースで行われていることのかい離が指摘されました。今回はまず試験問題をすべてデジタルデータに変更されることとなり、恒例の読影試験はすべて新しいものに刷新されました。今年も何とか最高評価のAS判定となりましたが、今後判定の評価基準も変更の可能性があることが示唆されました。

 

 J-STARTの結果を受けて、超音波検診についても討議されました。予想通りに良い成績が出たものの、予想通りマンモグラフィ診断との総合判定や機器、人員などまだまだ問題は山積で実施にはまだ時間が必要とのことでした。

 

 今回大きな問題として取り上げられたものに過剰診断があります。欧米ではマンモグラフィ検診の普及に伴う早期乳がんの増加に反して、進行乳がんの減少が顕著でないことから“見つけなくてもいい乳がん”があるのではないかと言われています。データ的には確かにそのようであることは間違いないようですが、どの乳がんが見つけるべきもので、どれが見つけなくてもよいものかの線引きは明らかではありません。今後の大きな課題と言えます。

 

 マンモグラフィ検診精度管理中央委員会(精中委)は超音波検診の発展、普及をめざし関連諸学会の協力のもと2013年日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)に改編されました。そのため今回の指導者研修会も、名古屋開催から東京開催となりました。乳がん検診を取り巻く環境が大きく変化しています。それでも乳がん死亡を減らすという大目標に変わりはありません。これからもさらなる努力が必要と痛感しました。

 

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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