五十肩闘病記 2-院長のひとりごと

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五十肩闘病記 2

 紹介されてすぐに、三宮のペインクリニックを訪れました。先生は診察をされて、これは重症ですということになりました。その場で肩関節の授動術を受ける事になりました。まず腕の付け根に麻酔注射を打ちます。これにより腕が完全にマヒします。運動はおろか感覚も全くなくなります。そのうえで先生が強制的に肩を授動させます。これはとても不思議な体験でした。私はベッドにあおむけに横たわっています。先生が私の腕を持ち上げます。目では確かに自分の腕が上がっているのですが、感覚が全くないため自分としては腕は自分の体に接して下にあるという意識なのです。それでは授動しますよという掛け声とともに先生が私の肩を回します。長い間痛みのために肩を動かしていなかったために、関節は拘縮という状態になっていました。それを他動的に動かすと、ぎしぎしという音がたちます。そういう感覚ではなく、本当にぎしぎし音がします。麻酔のおかげで全く痛くはありませんが、そうでなかったらきっと悲鳴ものなのでしょう。五十肩闘病記2

 

 しばらく安静にしたのちに帰宅の途につきました。これが大変でした。麻酔はまだ効いており、右腕が全く動きません。三角巾で肩からぶら下げた腕は大変重くびっくりしました。こんな思いものを支えるだけでなく、あらゆる方向に動かしてくれていた肩に改めて感謝の念がわいてきました。そんな気持ちはともかく、右腕が使えないと本当に不便です。クリニックのお勘定ひとつ左手だけでは思うに任せないため事務の方に財布ごと渡して対処しました。クリニックの玄関にタクシーを呼んでいただいて神戸から大阪まで帰りました。夕食は左手だけでも食べられるようにとカレーライスを準備してもらいました。夜になって腕が少しずつ動き出したときには、ほっと安堵しました。

 

 翌日には麻酔は全く回復しました。肩の可動域はだいぶ改善しましたが、動かすと痛みはまだ残っています。これからは週に1回リハビリを受け、自分でも指導に従って肩と腕を動かさなければなりません。神戸の整形外科を紹介され理学療法士さんによるリハビリが始まりました。

 

 次回は9月に浜松で行われた乳癌学会の報告です。五十肩闘病記3はそのあとに続きます。授動術とリハビリで肩は大いに回復しますが、最後に薬の離脱に難渋しました。その顛末を報告します。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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