日本乳癌検診学会(沖縄)-院長のひとりごと

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日本乳癌検診学会(沖縄)

 11月はじめに第22回日本乳学会総会が沖縄でありました。院長のひとりごと2012年12月号
沖縄の海の色は珊瑚礁のため、エメラルドグリーンで非常に美しいです。関西は薄いコートを羽織らねばならないくらいでしたが、沖縄は上着を脱いでちょうどいい気持ちの良い気候でした。食べ物や文化も独特で異国に来たような感覚でした。

今学会は“日本のすみずみまで乳癌検診を”がテーマでした。日本の西南の端に位置する沖縄から全国に向けて、都市部はもちろん離島や山間部の津々浦々にまで届く乳癌検診を実施するためにはいかなる方策が必要かということについて活発な議論が展開されました。

 

 乳がん検診にとって今年は大きな節目といえます。第一に国のがん対策基本法が施行から5年を迎えました。無料クーポン券を発行しましたが、検診受診率は目標の50%には達していません。受診率において、欧米諸国はもちろん近隣のアジア諸国にも遅れをとっているのが現状です。この5年間の検証をしっかりと行い、今後の5年に向け、的確な対策を立てなければなりません。第二は超音波検診が有効かどうかを問う、日本発世界初の臨床試験であるJ-STARTの症例登録が今年終了しました。これからのフォローアップ期間を含めてのデータ解析がなされます。早ければ3年以内に結果が出るということです。関係者は途中経過につき堅く口を閉ざしていますが、多くの人々が良い結果が出ると信じています。そこで有効性が証明されると、超音波検診を実施しなければなりません。これが実は大変で、そのためのシステム作りや人材育成が急務です。結果が出てからでは間に合いませんので、学会としても今から最大限の努力がなされています。今学会でも超音波関連の演題は多く取り上げられました。

 

 院長のひとりごと2012年12月号今回特別講演で“琉球の歴史と泡盛のあゆみ”が企画されました。中国と日本にはさまれた小国琉球の波乱万丈の歴史が泡盛の成り立ちとともに興味深く語られました。先の戦争では沖縄は戦場となり人口の4分の1が犠牲になりました。戦後沖縄の人々は4分の1を失ったとは思わず、4分の3が生き残ったと考え復興を目指したのだと力強く述べられました。

 沖縄そばにゴーヤチャンプルー、アグー豚に石垣牛、イラブチャー、ミミガー、ジューシーなど郷土色豊かな食べ物は数え切れません。独特の文化と人懐っこく、明るい沖縄の人々に元気をいただいた学会でした。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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