映画“テルマエロマエ”-院長のひとりごと

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映画“テルマエロマエ”

 今回は乳がんとも医療とも関係ないお話を。

 先日映画“テルマエロマエ”を観てきました。知人からは時間とお金の無駄だから止めておけと言われたにもかかわらずです。

2012年7月号映画“テルマエロマエ”

 

 原作は漫画“テルマエロマエ”です。テルマエロマエとはローマのお風呂(浴場)という意味です。古代ローマの浴場設計技師が現代日本にタイムワープをして、その先進の技術をローマに持ち帰り大成功をするという荒唐無稽なお話です。そんなあほなと思ってしまうと全く面白くありません。考えてみれば、古代ローマにとって浴場は大変大事な施設で庶民から貴族、皇帝にいたるまでお風呂を愛していました。そうした伝統は他の時代、他の地域には見られず唯一近現代の日本に受け継がれていると言っても過言ではありません。そんな不思議に着目して、物語を作った作者の慧眼に感服させられます。この作品にまだ接していない方は、まず漫画をお読み下さい。ただいま第4巻まで出ていますが、まず第1巻だけ買って読んでください。くだらんと思われたら、以後この世界とはかかわりを持たないほうが賢明です。面白いと思われたら、4巻まで読んだ上で映画もご覧下さい。

 

 知人の忠告にもかかわらず映画を観た私の感想は、とても楽しかったと言うものです。まず主役の阿部寛さんに脇を固める市村正親さん、北村一輝さん、宍戸開さんなどいわゆる濃い顔の日本人俳優がローマ人の中に混じって演技をしていても全く違和感がないのが見事です。さらに古代ローマの風景が忠実に再現されています。それは米英合作ドラマ“ローマ”が撮影された大規模なオープンセットを利用して、イタリア人スタッフを巻き込んで現地ロケにて実現されました。塩野七生さんの“ローマ人の物語”がベストセラーになることからも分かるように、日本人には古代ローマファンが多く存在します。そして映画全編に流れるオペラの有名アリアがすばらしい。映画館という空間の中、大音量でオペラのアリアを聴くというのもなかなかできない経験です。お風呂(温泉)好き、古代ローマ好き、オペラ好きにはたまらない映画です。温泉の効能で負傷兵が癒されローマ軍が勝利するなんてありえないだろうなど、突っ込みどころ満載ですが、とにかく理屈抜きで腹を抱えて笑うつもりで鑑賞してください。いっとき別世界にいざなわれ、豊穣な時間を過ごせること請け合いです。ただ全く受け入れられないという方も大勢いると思われます。まずは漫画“テルマエロマエ”第1巻を読んでください。それが映画を観るかどうかの踏み絵になるのではないでしょうか。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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