放射線障害-院長のひとりごとコラム

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放射線障害

 放射線障害

 福島原発問題がいまだに尾を引いています。放射線障害は大きく分けて2つあります。

第一は急性障害です。これは一度に大量の放射線被曝により、細胞や組織がダメージを受けた場合には直接命にかかわります。チェルノブイリ原発事故では、これにより多くの死者を出しました。今回の福島原発事故はチェルノブイリと同じレベル7とはいうものの、直接の死亡者や目に見える障害を受けた人はいません。

 

 

 現在問題になっているのは、放射線被曝による慢性障害です。 これは放射線被曝により、白血病や各種のがんの発病率が上昇することを指します。放射線は人の細胞の遺伝子に傷をつけます。その傷がもとで細胞ががん化する可能性があります。人の遺伝子の量は膨大であるため、少々傷がついてもそう簡単にはがん化しません。数ある遺伝子のうち、特定の遺伝子の特定の部分に傷がつくとがん化する恐れがあります。そういうことが複数個所で同時に起こらないと細胞はがん化しません。さらに人には遺伝子に傷がついても修復する力があります。

さらにさらにたとえ1つや2つの細胞ががん化しても、それを排除する免疫の力を備えています。

したがって放射線被曝によって人ががんになる確率は非常に低いといえます。 このように放射線慢性障害は確率的影響によって起こるものです。各種の基準は単なる目安であってそれ以下だと大丈夫で、越えると危険という性質ものではありません。つまり常にできるだけ被曝量を少なくするという努力が必要です。 怖いのは放射線が目に見えないということです。 放射線障害

国や自治体はようやく土壌や水質の放射線量を測定し、公表を始めました。それによると地域によっては従来の数倍から数十倍の放射線量を示しているところがあります。但しそれだからといって、その地域の住民は平均の数倍から数十倍被曝するわけではありません。屋外のそういう土壌の上で、そういう値を示しているということでアスファルトの上や屋内では放射線量は当然減少します。 公表されるデータを注視し、冷静に受け止め、的確に判断し行動することが大事です。

 

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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