日本乳癌検診学会-院長のひとりごとコラム

さきたクリニック
院長のひとりごと コラム HOME
院長のひとりごと コラム
院長のひとりごと コラム HOME

日本乳癌検診学会

 平成20年12月5日(金)6日(土)に名古屋で日本乳癌検診学会が開催されました。
今年は日本でサミット開催があり、大阪で開催予定の日本乳癌学会が例年の夏に開くことができず9月にずれ込んだため、乳癌検診学会も年末の開催となりました。
参加者は1万人を超え、過去最大となりました。乳がん検診への関心の高まりと、それを支える人々の熱気を感じました。

私が今回の学会で感じた注目点は、精密検査機関の問題と乳がん超音波検診の課題でした。関係者の努力により、乳がん検診機関の精度管理は、ほかのがん検診のお手本となるくらい進んでいます
ところが検診で異常を指摘された後に受診者が向かう精密検査機関の精度ばらばらで、場合によるとみすみす癌を見逃してしまうという事態も散見されるようになってしまいました。
そこで今後は学会および行政レベルで、精密検査機関の精度管理をより厳密にする必要が論日本乳癌検診学会じられました。
具体的に様々の基準が示されました。
その中で一番クリアが難しいのが、最終的に診断を下す乳腺専門医です。
精密検査機関には乳腺専門医が常勤することが望ましいのですが、その絶対数が足りません
認定をする日本乳癌学会の代表の弁では、だからといって専門医のハードルを下げるわけにはいかず各施設で鋭意努力していただくしかないとのことでした。
乳がん超音波検診は、現在日本で世界に先駆けて臨床研究が行われています。
私たちは数年後にきっといい結果が出るものと信じています。
そうなると制度的乳がん超音波検診を開始することになるものと思われますが、すでに今からそのときに備えて着々と準備が進められています。

トピックとしては、現在国を挙げて乳がん検診が行われ成果を上げているフィンランドから検診の専門家を招いての講演が行われました。
知識では知っているものの、実際に生の声でその経緯を聞く機会を得たことは非常に有意義でした。
フィンランドおよびEU各国は今では高い乳がん検診受診率を達成し、乳がん死亡を減らしています
しかしそこにいたる道のりは、必ずしも平坦ではなかったと伺い、日本の現状と照らし合わせて努力次第ではその現実も決して悲観的でないものと勇気づけられました。

最後に学会でのもうひとつのお楽しみです。
学会でいろいろな地方へ行くと、各地の郷土料理や自然、文化に触れるのも楽しみの一つです。ところが名古屋というのはどうも中途半端で、新幹線を使うと今では1時間もかかりません。
名物料理は多く、みそかつと味噌煮込みうどんに舌鼓を打ちました。
ところがどこか近郊に足を伸ばそうとすると、それだけの時間があれば大阪に帰ってこられるということで今回はただただホテルと学会場を往復するだけで終わってしまいました。
来年は北海道での開催が決まりました。
おまけのお楽しみは来年までお預けとしました。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
さきたクリニックホームページ

さきたクリニック

著者 院長・医学博士 先田功

さきたクリニック

〒662-0971
兵庫県西宮市和上町2-35 テルヴェ101

院長・医学博士 先田功