胸の痛み-院長のひとりごとコラム

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胸の痛み

 当院は乳腺外来を専門にしていることもあって、胸の痛みを訴えてこられる患者さんが多いです。胸の痛み
医者にとって胸の痛みを訴える患者といえば、まず心臓病を考えます。
その次に肺の病気、見落としてはいけないものに消化器の病気があります。 つまり食道や胃、時には肝臓や胆のうの病気で胸の痛みが主になることがあります。
その他に多いのは、帯状ヘルペス肋骨の病気があります。
肋骨は結構弱く、少しの打撲やひどい咳に伴って骨折してしまうことがあります。

 乳腺で痛みを伴う病気としては、乳腺炎が代表です。
実は乳がんは痛みを伴わない場合のほうが多いのです。
もちろん痛いから乳がんの心配は無いということではありませんが、痛むから心配ということでもありません。
それでも胸が痛み、乳癌を心配して当院を受診する方が結構多いです。
特に最近は若い女性にその傾向があります。
もちろん乳腺に異常が無いか、十分検査を行います。
それで特に異常が無ければ、原因として多いのは乳腺症です。
これには名前はついていますが病気ではありません
乳腺も女性ホルモンの影響を受ける臓器です。女性ホルモンは2種類あって、これらがバランスよく機能して月経周期がもたらされます。
ところがそのバランスが崩れると、乳腺にも影響を及ぼして痛みを発症することがあります。
極端な話をすれば、生理のある女性は全員多かれ少なかれ乳腺症を経験しているといっても過言ではありません。
ただ個人差があることと、同じ個人でも周期によって症状の出方に程度差があります。
いずれにせよ乳腺症であれば、ほとんどの場合医学的に治療の対象とはなりません

 さらに乳腺にまったく異常が無い場合に、胸の痛む原因としては、筋肉痛神経痛があります。乳房の奥には大胸筋という人間の筋肉の中でも比較的大きな筋肉があり、これが肩につながっています。
肩こりのある人や、一時的に腕の筋肉を酷使するとこの大胸筋が痛んで胸の痛みと感じる場合があります。
また肋骨に沿って肋間神経が走っており、この神経が痛んで胸の痛みを感じる場合があります。筋肉痛も神経痛も寒さに弱いため、冬場にこういう訴えの人が増えます
しかし春や秋などにもこういう症状の人が多い場合があります。
それはこの季節、昼間は暖かくても朝晩冷えるため体を冷やしてしまうのです。
さらに油断がならないのが夏場です。気温は高いものの、室内はエアコンで冷えているため薄着をしていると体を冷やしてしまいます胸の痛み

ということで結局年中胸の痛みは多くの女性を悩ませてしまいます。
それが乳癌などの怖い病気でないと安心するためには、やはり症状の無いときからきっちりと乳癌検診を受けておくことが大事かもしれません。

 

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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