乳がん検診(マンモグラフィ検診)-院長のひとりごとコラム

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乳がん検診(マンモグラフィ検診)

 乳腺専門医の究極の目的は“乳がん死亡を減らす”ということです。
そのもっとも有効な手段としてマンモグラフィを用いた乳がん検診(以下マンモグラフィ検診)があります。乳がん健診 イラスト
 
日本では随分以前から視触診による乳がん検診が行われてきましたが、これは乳がん死を減らさないというはっきりとしたデータが出ました。
一方1980年代に欧米でマンモグラフィ検診が乳がん死を減らすかどうかという研究が国を挙げて行われ、その効果が証明されました。その結果を受けて、欧米各国は強力にマンモグラフィ検診を推し進め、1990年代より乳がんの発生は依然増加しているにもかかわらず、乳がん死亡率が減少に転じました。
 
このような状況の下、我が国ではマンモグラフィ機器の不足、マンモグラフィを正しく撮影できる技師の不足およびマンモグラフィ写真を正しく読影できる医師が不足しているという問題がありました。
そこで日本乳癌学会や乳癌検診学会、医学放射線学会、放射線技術学会など関係諸学会が協同してマンモグラフィ検診精度管理中央委員会を立ち上げ、日本におけるマンモグラフィ検診の推進に努力してきました。
それでも、なかなかマンモグラフィ検診の受診率の向上が認められず、日本の乳がんの発生および死亡率は今も右肩上がりに上昇を続けています。
 
2000年代より新聞、雑誌そしてテレビなどのマスコミで日本のマンモグラフィ検診の遅れが指摘されるようになり、国も視触診検診の廃止、マンモグラフィ検診推進の指針を出しました。
現在は検診用マンモグラフィ機器の数も整備され、撮影技師および読影医の数も相当数増えてきました。
それでも日本のマンモグラフィ検診の受診率は1割に満たないのが現状です。
検診の効果は受診率が高くないと発揮されません。欧米のように8割9割の受診率を実現して日本の乳がん死亡が減少することを願ってやみません。

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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