乳腺炎-院長のひとりごとコラム

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乳腺炎

 開業をして、今までの大学病院や県立病院における乳腺外来と大きく異なることに乳腺炎の患者さんが多いことがあります。
 
乳腺炎 乳腺炎の多くは授乳期に発症するため、若いお母さんがどこに行っていいのか悩んだ末に当院に見えることが多々あります。
この乳腺炎には、単に乳腺で作られた乳汁がうまく乳頭から出ず痛みを伴うしこりとして自覚される無菌性乳汁うっ滞と細菌感染を起こし乳房が赤くはれ上がり、熱を持つ化膿性乳腺炎があります。
前者の場合、特別な治療は必要なく、赤ちゃんにしっかり授乳してもらうか自分で搾乳すれば治る場合が大部分です。
後者の場合、軽症なら抗生物質で治りますが、重症になると膿がたまるため外科的な処置が必要になります。
いずれにせよ発症初期に適切な判断が必要となります。
おそらく昔なら、若いお母さんの身近には子育ての経験者がたくさんおられて適切なアドバイスが得られたのでしょうが、今はお母さん一人で悩んでしまうケースが多いのではないでしょうか。
 
 もうひとつ忘れてならないのは、慢性的乳腺炎のひとつである乳輪下膿瘍です。
乳頭直下の乳管は部分的に太くなっており、一度細菌感染を起こすとその部分に感染の巣ができてしまい感染を繰り返し難治性となります。
再発を繰り返す場合は根本的手術が必要になります。
 
 最後に頻度はそれほど多くありませんが、炎症性乳がんというものがあります。
これは一見乳腺炎と区別がつかないため、長期間にわたって炎症の治療が行われ乳がんの治療が遅れてしまう場合があります。
いずれにせよ乳腺の異常に対しては、まず乳腺専門医を受診することをお勧めします。

 

著者 院長・医学博士 先田功

乳がん検診・乳腺外科
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